マツコの知らない世界

【ゲーム音楽研究家】田中治久が語る!懐かしのピコピコ音&チップチューンの歴史を調査

東京五輪オリンピックの開会式で「ドラゴンクエスト」のテーマ曲が流され話題になりましたね。選手団の入場と共に、世界的人気の「国内ゲーム」のテーマ曲が流され、世界中のゲームファンが大興奮!

Twitterでも東京五輪悪くないぞ!」など、歓喜の投稿で沸き、日本のゲームに注目が集まりました。

8/24(火)8:57~放送の「マツコの知らない世界」は「ゲームの世界」がテーマです。

この日のゲストは 『田中 治久』(hally) さん。田中治久さんは、長きに渡り「ゲーム音楽史の研究」に励まれているお方。番組ではレトロゲームを話題から、 “ピコピコ音” と呼ばれた、昔懐かしいゲームの歴史に迫ります。

それれは田中治久さんのプロフィールからみていきましょう。

田中 治久さん(hally)のプロフィール

名前 田中 治久(たなか はるひさ)
生年月日 1973年9月19日
年齢 47歳 ※R3年8月時点
出身 hally
職業 ゲーム史・ゲーム音楽史研究家
チップ音楽研究家
著書 チップチューンのすべて
ゲーム音楽ディスクガイド
ゲーム音楽ディスクガイド2

田中治久(helly)さんの経歴

90年代 国内初のネットレーベル「カミシモレコーズ」を主宰
2001年 ライター業開始。
チップチューンを広めるため、個人サイト「VORC」を開設
2004年 ゲームのルーツ研究をはじめる
ブログ「classic 8-bit/16-bit topics」で情報発信
2006年~2009年 ゲーム音楽専門配信サイト「EGG MUSIC」を立ち上げ
2012年 情報サイト「CHIP UNION」の立ち上げに協力
※チップチューン・8-bitカルチャーのポータルサイト
2017年 「チップチューンのすべて」出版
2018年 「懐かしのパーフェクトガイド」でファミコン音楽の魅力を発信
2019年 「ゲーム音楽ディスクガイド」監修
2020年 「ゲーム音楽ディスクガイド2」監修

田中治久さんは(hally)は『チップ音楽研究』の第一人者!

音楽史研究家でもある田中治久さん。

ゲーム・サントラ制作活動を精力的に行う傍ら、ゲーム音楽やアルバムの楽曲提供やアーティストとして国内外でライブ活動もされています。

80年代、ゲーム創成期の音楽は3音しか同時に流すことが出来なかったそうです

その頃の音が、俗に言う「ピコピコ」音は・・・

「チップチューン」

とう1つの音楽ジャンルとして確立しているのです。

この「チップチューン」という音楽概念をもたらした人物こそ、音楽史研究家の田中治久さん。ゲームファンの間ではカリスマ的存在のお方なんですね~。

ファミコン時代を知らない方にとって、「チップチューン」新しい音楽として伝わり当時のピコピコをよく知る世代にとっては懐かしい音楽として聴かれています。

チップチューン音楽の定義はある?

wikiでは1980年代に発売された家庭用ゲーム機に搭載されていた内蔵音源チップで作られると説明されています。

田中治久さんは「音楽ジャンルとしては、そこまで厳密なルールはありませんでした」と前置きをしたうえで、チップチューンについて語られています。

音楽表現としては、普通の楽器ではやらない/できないような表現ができることが魅力ですね。

出典:https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/170629

音源チップは「楽器として何かが足りない」。でも、かえって、そこから「普通の楽器に勝るとも劣らない聴き応え」を引き出せるところに、チップチューンの面白さと魅力があります。

出典:https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/170629

音源チップって何?

電子音を生成する電子回路。
ディジタル音源の1つで、パソコンやゲーム機に搭載されたの音を鳴らすための基板をさす。パソコンやゲーム機の効果音、携帯電話などに用いられている

「知る人ぞ知る」音楽ジャンルのチップチューン

調べれば調べるほど・・・奥深さを感じます!

ゲーマー必見!ゲーム音楽(ファミコン)ピコピコ音の作られ方

突然ですが、「PSG音源」をご存じですか?

80年代に発売された「ファミリーコンピューター」ピコピコ音PSG音源」から作られています。

☟PSG音源について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
PSG音源って何?
ファミコンが同時に出せる音は「3音」と言われたりしますが、正確には効果音などに使用するノイズ音もプラスすると「4音」で構成されています。

その「4音」をさらに分けると以下内訳になります。

矩形波(パルス波) 2 メロディ主担当
三角波 1 ベースライン担当
ホワイトノイズ 1 効果音&リズム担当

矩形波(パルス波)は音色の種類があるので、音を変えることができますが

使える音は「4音」という「究極の制限」があるのです。

ファミコンは、この4音の制限を超えてしまうと

   音が消えます

この制約が、逆にゲーム音楽作曲家の魂を揺さぶるのかもしれません。

この4音で「ワクワク」「ハラハラ」「ドキドキ」など、様々なゲームの場面の音が作られているんですね。

スーパーマリオの効果音

ファミリコンピューターでお馴染みのアクションゲーム「スーパーマリオ」

スーパーマリオをプレイしたことある方なら、誰もが聞き覚えのある音といえば・・・

  • コインをとる音
  • 1アップの音
  • ジャンプの音

数え上げたらきりがないほど、お馴染みの効果音が思いつきます。

これらも先に説明した矩形波2パート、三角波1パート、ノイズ1パートという4パートのみで作成されています。

スーパーマリオはアクションゲームなので、メロディーを聞かせるというよりは、場面ごとの状況を体感させるような音作りがされています。

4音しか使えないという制約の中で、世界中に愛されるゲームが作られていたのか・・と思うと感慨深いものがあります。

ドラゴンクエストの音楽

東京五輪の入場場面で流された「ドラゴンクエスト」の音楽も、同じく4音の構成で作られています。

音楽を任された「すぎやまこういち」先生は、歌謡曲の作曲家。ポップス界の大御所と呼ばれる人物。歌謡曲ではありえない「3和音」という制限の中で、慣れないゲーム音楽を制作に打ち込まれました。

RPGにおいては、アクションゲームとは違って、プレイヤーに感情を持たせることが必須・・・ゲームの物語に入り込めるような、ストーリー性のある音楽が求められました。

限りある音の組み合わせの中で、思考錯誤を重ねた結果、あの魂が揺さぶられるような名曲が生まれたんですね。今ではプレイヤーに愛される神曲として今でも世界中のゲームファンから愛され続けています。

もっともっと深堀したいところですが・・・今回はこのあたりで!(^^)!

すぎやま先生の名言

「音楽なんて2音あれば十分」

なるほど!
わすかな音数であれだけの音楽を作曲されるとは・・・お見事です。

【ゲーム音楽家】田中治久さんはツイッター名「hally」

田中治久さんは、ゲーム音楽家でありチップ音楽家として、レトロゲーム音楽やゲーム音楽史の情報発信をされています。

自らのニックネーム「hally」の名前でTwitterでもたくさんつぶやいていますよ。レトロゲーム音楽や歴史に興味を持たれた方は、フォローして新情報ゲットしてくださいね!

まとめ

  • ゲーム音楽研究家・田中治久さんはチップチューンを浸透させた第一人者
  • チップチューンは懐かしゲームのピコピコ音の構成でつくられた音楽ジャンル
  • ピコピコ音は3音+ノイズ音の4音でつくられている
  • 名曲ドラクエも4音構成で作られている